■お待たせしました、ほんとうにお待たせしました。やっと書き上げることができました。
この原稿を書くのに7年程かかりました。この体験を書き始める腹づもりを決めるのに7年程かかかりました。
私の治療体験情報は日本では得難く貴重な情報であることを理解していました。そして過去の私のように症状に苦しんいる方の選択肢の一つなれば良いと考えていました。けれども、原稿を書き始めて途中で何度も書くことを止めてしまいました。もし、運良くこの原稿が出版されて多くの方の目に触れた時、インターネット上にある無数の「アトピーに効く○○○」とおなじ様ないわゆるアトピービジネスと同一視されるだろうことに我慢がならなかったからです。私は治療体験情報を書くことで間接的にアメリカの医療を宣伝していることになるのでないか?そして間接的に日本の医療にネガティブな印象を与えてしまうのではないか?と考えてなんども書くことを止めました。
自分の完治後、患者の会 アトピーアソシエイションジャパンの活動をして6年になりました。機会のある方、うつむき加減だった方が、日本で治らなかった理由に憤りを感じながらも、アトピーの原因を正しく知り、高度な医療で治って自分らしさを取り戻していくさまは奇跡的な体験でした。
昨年の冬、多くの治療後の方に喜びの声、勇気を頂いて書く覚悟をしました。原稿用紙に向かった2006年の夏は暑い暑い夏でした。
私が闘病中の93年〜99年頃と同じように治療が混乱していて、医療は患者を置き去りに語られていく様子を書くことはとても難しい経験でした。
なぜならば、私たちのアトピーやリバウンドの体験、原因、闘病内容は世間では蓋をされていて、一般の方に伝えることは
、言語が違うかのように難しいことだからです。私は過去の自分の体験を振り絞り書き込んで行けばいくほど、被害者意識の強いおやじ、または独りよがりの文章におちいるのではというジレンマにとりつかれました。
出版社の方々に何度も何度も多大なお力添えをいただき、私の幼少の頃からの事実を書き出すところからやり直しました。
私は私と同じような体験をして欲しくないと考えています。
アトピーや喘息でつらい日々を送られている多くの方、ご家族をお持ちの方、それらが理由で仕事や生活を楽しめない方、生きる意味を見いだせない方に
「それはあなたのせいではない」と感じて欲しいのです。
私の遠い遠い回り道の体験から何かインスピレーションを感じていただければとてもうれしいです。
私たちの世界がどんなに狂っていて、日本の医療や心のケアがどれほど発展途上であるとしても、
私たちは自分の生きる意味を見いだせるのだと信じています。
2006年9月13日 明石郁生
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